2007年 アコンカグア

アコンカグアに向かう前の高度順化の山として
チリ近郊のエルプロモ(5430M)へ。
ここがスキー場の中にある車止め(2700M)。
初日は3時間程歩きテント泊。
隊員全員でテント設営を行います。
ピエドラネメラーダ手前の広い台地より
エルプロモを望む。
荷物は馬でBCまで運びます。
BC先の台地より西面氷河の眺め。
ルートは氷河右側のリッジを辿る。
ちょうど富士山8合目のような登り。
日がささないとけっこう寒い!!
ベースキャンプから約8時間の登りで山頂へ。
全員登頂!!
山頂からインカ時代の少女のミイラが
発見された岩屋を見下ろす。
(右側山頂直下の窪地)
無事BCに下山しました。
こちらからが今回の本番!!
アコンカグアの登山基地、プエルト・デル・インカ
から車で10分の場所にあるオルコネス谷の入り口。
このブルーのテントがレンジャーテントです。
シーズン中はレスキューヘリも常駐。
歩いてすぐのところに看板が立っていて
各方面への標準タイムが書いてあります。
高度順化の為、途中のコンフルエンシア(3368M)
に1泊しました。各国の登山者のテントで一杯です。
コンフルエンシアより長い長い谷をひたすらBCを
目指し登ります。
やっと着いたBC(4270M)は先日からの
悪天候で雪のなか・・・。
山頂には巨大なかさ雲がかかりまだまだ
天候不順な様子。
しかし雪の付いた山々も美しい!!
BCから上部キャンプへの登り。
我々も早速高度順応へ。
キャンプカナダ付近からの眺め。
巨大な砂礫の斜面のアコンカグア北ルートは
目印になるものが少なく悪天時や夜間の下降で
ルートミスをしやすい。

標高4610Mにあるコンウェイロックは貴重な
目印の一つ。
振り返るとクエルノ峰からの氷河が美しい・・・。
BC付近にあるペニテンテの林。
次第に天候も安定してきた!!
キャンプアラスカ(5180M)
シーズン中はこの北ルートを登り下りして
巡回しているアルゼンチンの山岳レンジャー。
彼らはもともとは警察官で山の中でもとても権力が強い。

我々の味方にもなるが、場合によっては
敵にもなる存在。
順応でニド・デ・コンドレス(5180M)へ。
旗はアルゼンチンの国旗。
ニド・デ・コンドレスは一般的にC1として使用される
ことが多く各国の登山者で賑わっていた。
我々は天候待ちで残りの登山日数の関係から
1つ下のキャンプアラスカをABCとして
ここで粘りながら天候の良い日にちに
アタックキャンプ入りをするタクティクスに変更。
キャンプアラスカから山頂(中央の1番高い峰)の
眺め。風が強い!!
強風でテントも軋む・・・・。
居住条件は良くはない・・・・。
山頂はいつも爆風に覆われここ数日誰も登頂出来て
いないとのこと・・・・。
風よ早く収まってくれ〜(>o<")
願いが通じたのかやっと天気も回復して
アタックキャンプのベルリンキャンプ(5780M)へ。
ここには犬小屋の巨大版のような避難小屋がある。
そして!!本当に犬がいる!!
これには一同ビックリ!!

あの風や低温をどうやって凌いでいるのだろうか・・・・?

しかしワンコはのん気なものでのんびりお昼ね・・・(^_^;
時々上部へお散歩にも出かけます。
我々も今晩に備え、上部へ順応活動を行います。
そして待望のアタック日!!
インデペンデンシア小屋(6400M)を過ぎ
標高6500M付近の大トラバース中。
気温は非常に低く、マイナス20度を下回る中での
苦しい登り・・・・。
トラバースを終えると、頂上稜線に向かって
グランカナレータのきつい登りが待っています。
カナレータ上部。高度の影響と長時間のアタックで
一番キツイところ・・・・・。
そこを!!何とあのワンコも登山者のあとについて
登ってくるではないか!!!


しかも結構ハイペースで余裕の登山。
山頂直下の最後のひと登り。
バックは南峰。
ついに山頂に到着!!

山頂から南方面の眺め。
ワンコは既に登頂を済ませ余裕のお昼寝(^・^)

しかも石の上は痛いらしくわざわざ雪の上で
寝ていました。
山頂にある十字架。多くの登山者にシールや
布を巻かれちょっと可哀相・・・・。

こののち隊員の一人が凍傷となり夜間までかかって
BCまでの悲惨な下山となりました。



アコンカグアは技術的には難しい山ではありませんが
高高度と低温と強風で自然環境は厳しい山です。
どんな山でもそうですが、けして自然を侮らず常に謙虚な
姿勢で真摯に登山に取り組まなければならないと改めて
痛感させられた登山となりました。


                              

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